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卵子や胚発生結果に対する採卵時の卵胞サイズの影響

論文紹介

卵子や胚発生結果に対する採卵時の卵胞サイズの影響
Fertility & sterility  2022年6月号、P1170-1176

目的:穿刺した卵胞計とその後の胚発生結果の関係を特定すること
デザインと設定:前方視的観察研究、プライベート不妊治療センター
対象:2017年8月から2018年5月に行われた157件の採卵
方法:採卵で穿刺した卵胞の直径は超音波で計測した。得られた受精卵は胚盤胞までグループ培養し、
   卵胞サイズにより、8のグループ(≦9.5㎜、10-12.5㎜,13-15.5㎜、16-18.5㎜、19-21.5㎜,
   22-24.5㎜、25-27.5㎜、≧28㎜)に分類した。    
結果:この研究には2539個の卵胞穿刺、2348個の卵子、1772個の成熟卵子が含まれています。穿刺さ  
   れた卵胞当たりの良質胚盤胞の割合は、2.2%(≦9.5㎜)、6.2%(10-12.5㎜)、11.9%(13- 
   15.5㎜)、14.5%(16-18.5㎜)、18.9%(19-21.5㎜)、17.5(22-24.5㎜)、15.9(25-
   27.5㎜)、17.0(≧28㎜)であった。
結論:12.5㎜以下の卵胞穿刺では良好胚盤胞ができる割合が有意に低かった。卵胞計が19㎜までは良好     
   胚盤胞到達率が徐々に増加し、それ以降はあまり変わらなかった。
   採卵時の卵胞の大きさと着床前診断による染色体の異数性は相関関係がなかった。

コメント:良質な胚盤胞を得るには、十分なサイズまで卵胞を育てることが大事と言えます。
ただし、小卵胞由来の胚であっても胚盤胞になってしまえば、産まれる可能性は変わらないと考えられます。