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治療詳細

treatment details

妊娠の成り立ち

どうして妊娠が成立するのか

はじめに、妊娠の成り立ちについて説明したいと思います。
このことが理解できれば、不妊症検査や治療が理解しやすくなるでしょう。
排卵から着床までのプロセスに沿って説明しますので、図と合わせてご覧ください。

卵子について

卵巣にある卵子のもと(卵祖細胞;未熟な生殖細胞)はお母さんのおなかにいる妊娠初期に細胞分裂を繰り返し、約600~700万個つくられます。その後発達して第一卵母細胞になりDNA量を2倍にして第一減数分裂といわれる遺伝子を半分に分ける作業に入り、その途中で停止した状態で生まれてきます。毎日30~40個の卵子は変性し消滅しているので、生まれるときに100万から200万個に減っています。思春期に20~30万個、老化により異常卵(1000個程度はある)しかなくなり、排卵しないのが閉経です。閉経の1~2年前からは排卵があっても異常卵なので妊娠しても流産となってしまいます。したがって女性はあまり高齢になると卵子の老化で母親になれません。
卵子の第一減数分裂が再開するのは排卵のときです。すなわち何十年も停止していたものが再開するので、染色体が均等に分かれない(不分離)などの異常が起こりやすくなります。このことを一般に卵子の老化といいます。受精のときに2回目の減数分裂が起こり、卵子は半分の遺伝子を持つようになり、精子の持ち込んだ半分の遺伝子と一緒になり受精が成立し、赤ちゃんの遺伝子ができます。2回の減数分裂でいらない遺伝子が半分ずつできるのですが、卵子はそれを極体として卵子の外に出します。それを第1極体、第2極体といいます。
一方、男性の場合、精祖細胞は思春期を過ぎてから活動し、いつも精子をつくっているので女性のような年齢制限がありません。精祖細胞は2倍量の遺伝子DNAを持っていて、約90日かけて1個の精祖細胞から4匹の精子がつくられ、それぞれが均等に半量の遺伝子を持っています。ここが卵子のでき方と異なっています。このように、赤ちゃんの遺伝子は半分を母親から、半分を父親からもらいます。しかしミトコンドリア(遺伝子を持っていてヒトの細胞の中でエネルギーを作っています)遺伝子はすべて母親からもらうので、厳密には半々ではありません。

排卵

卵胞は、脳下垂体から分泌されるホルモン(FSH)の刺激を受けて発育し、卵胞の中の卵子も成熟していきます。その中で一番発育した卵胞の袋が破れ、中から成熟した卵子が卵巣の外に飛び出します。これを「排卵」といいます。

精子の子宮内への侵入

排卵前には、卵巣内で発育した卵胞から、たくさんの卵胞ホルモンが分泌されます。その作用により、子宮内膜が厚くなり、子宮頸管から頸管粘液が分泌され、精子が侵入しやすくなります。条件が整ったこの時期にしか精子は子宮に侵入できません。
進入した精子は、子宮内で3日以上生きています。そして、卵と出会うために卵管へ移動します。

受精

排卵したたった1個の卵は、卵管采という卵管の先端(太く開かれた部分)で拾われ(卵子のピックアップ)、卵管内に送られます。
そして、卵管の膨大部と呼ばれる場所で精子と出会い、精子は卵子に進入します。これを「受精」といいます。
そして、卵子の中に入った1匹の精子が夫の遺伝子を運び、卵子の遺伝子と結合することで、赤ちゃんの遺伝子ができます。

受精卵の発育

受精から受精後4日目までは、卵管の中で発育します。
卵管の中には、常に胚の発達に必要な体液が分泌されていて、胚はその中で発育しながら子宮へと送られていきます。

着床

受精後4~5日目に胚盤胞まで発育した胚は子宮に到着し、6~7日目に透明帯という殻を破って子宮内膜に付着し入り込みます。このことを「着床」といい、胚が着床し発育して妊娠と診断されます。

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