ページトップ

トピックス

Topics

院長記事一覧

ヒトの受精卵で遺伝子編集(中国)

院長記事
続きを見る

最近ヒトの多精子受精卵を使って遺伝子編集を行った論文が中国から2つ発表されました。 多精子受精卵は、卵子に精子が2匹以上入った受精卵で、受精5日後までに発育を停止し、人になることはありません。今回の論文ではこれらを用いて遺伝子編集の実験が行われました。 遺伝子を変える方法としては、従来の交配と遺伝子組み換えと遺伝子編集(ゲノム編集)があります。家畜や農作物の品種改良、たとえばおいしい米やブドウなど食品としてすでに市場に流通しているものや競馬のサラブレッドなどは、何世代にもわたって交配を繰り返し、大変な労力と時間を要します。遺伝子組み換えは短期に行えますが、遺伝子を目的に合ったものに変えられる確

ヒト受精卵で受精後13日間の体外培養に成功(イギリス)

院長記事
続きを見る

ヒトの受精卵を体外で長く培養するのは従来から困難で、当院でも受精から7日目までの培養です。7日目胚盤胞を移植して、妊娠した方もいらっしゃいます。 受精卵は必要とする栄養も発達段階により変わってきますし、アンモニアなどの有害物質も代謝により増加します。したがってこれまでの体外での培養の記録は9日間(受精から8日目)でした。したがって、受精から13日間体外培養できるのは画期的なことです。なぜ自分ではない受精卵が免疫的に拒絶されずに着床するのかなどの、様々なことの解明が今後期待されます。

3人のDNAを持つ赤ちゃん(アメリカ)

院長記事
続きを見る

ヒトの細胞はヒト核DNAとは異なった環状DNAを持つミトコンドリアと共存し、ミトコンドリアが生存するのに必要なものをヒトの細胞が提供し、ミトコンドリアがヒトの細胞の生存に必要なエネルギーを作っています。ヒトの細胞が分裂するときはミトコンドリアも数を増やし協調して生存しています。ミトコンドリアは原始生物のようなもので変異を起こしやすく、ヒトでは厳密に母親のみから子供に受け継がれていきます。このミトコンドリアDNAの変異から人のルーツが明らかになりました。ミトコンドリア異常によりミトコンドリア病という神経や筋肉の病気を引き起こす病気があります。また、このミトコンドリアが老化に伴い、機能障害を起こす