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PCOS(多嚢胞卵巣症候群)治療についての検討。妊娠率が高いのは、ホルモン補充周期の凍結胚盤胞融解移植(FBT)か排卵周期FBTかについての考察

基礎医学

PCOS(多嚢胞卵巣症候群)の治療は、東京HARTクリニックでは、アンタゴニスト法による排卵誘発をして、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を避けるため全胚盤胞凍結を行ない、妊娠希望周期に、凍結(ガラス化)胚盤胞の融解移植(FBT)を行います。

PCO患者の着床について考察するため、ホルモン補充(HRT)周期にFBT(凍結胚盤胞融解移植)を行うほうが成績が良いのか、排卵周期に行なうほうが良いのか検討しました。期間は2014年1月から2017年12月までの3年間です。PCOは自然排卵がほとんど期待できないため、まずホルモン補充周期FBTを2周期行い、成功しなかった症例に排卵周期FBTを行いました。採卵回数は1回から2回までです。

全FBT周期、198周期について検討しました。移植個数は平均1.2~1.3個です。

ホルモン補充周期におけるFBTでは、妊娠率はhCG陽性と胎嚢確認で、39歳以下で69.1%と56.1%、40歳以上で50.0%と33.3%、流産率が13.0%でした。

排卵周期におけるFBTで、妊娠率はhCG陽性と胎嚢確認では、39歳以下で68.0%と60.0%、40歳以上で37.5%と25.0%、流産率は6.7%でした。妊娠率や流産率に有意差はありませんでした。患者さんの対象が多少異なっているため、全く同条件の対象で検討すれば有意差が出るのかもしれません。卵巣過剰刺激症候群(OHSS)はフェマーラという効果的に卵胞ホルモンを下げる薬を併用するためほとんど見られません。3年間に軽度のOHSSで2日間入院し経過観察した1例のみです。

PCOの患者さんは採卵数が多いのと、無排卵のため治療開始が若いので、正しく治療すれば、むしろ早期に出産可能です。1回採卵で2人出産もよく見られます。現在もさらに成績を改善すべく努力しています。