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反複着床障害の患者に対する、GnRHアゴニストとレトロゾール治療の効果

論文紹介

目的:原因が特定できずに繰り返し着床に失敗した患者に対して、GnRHアゴニスト(リュープリン)とアロマターゼインヒビター(レトロゾール、フェマーラ)の併用、GnRHアゴニストのみと全く前処置なしの影響を比較した。
デザイン:後方視的研究
場所:大学と提携している不妊センター
患者:523名の2回胚盤胞移植に失敗した患者が3回目の凍結胚盤胞融解移植をした。内膜症と知られている患者は除外した。
介入:204人は何の前治療も受けていなかった。143人は2か月間GnRHアゴニスト3.73㎎を毎月筋注していた。175人はGnRHアゴニスト投与とアロマターゼインヒビターであるレトロゾール5㎎/日を60日間内服した。
結果:年齢、卵巣機能、妊娠歴や不妊歴は同様であった。GnRHアゴニストとレトロゾールの併用、GnRHアゴニストのみと前処置なしでは、臨床妊娠率はそれぞれ63%、42%と40%であった。生児出産率はそれぞれ56%、36%と34%であった。GnRHアゴニストとレトロゾールの併用が一番成績が良かった。
結論:反復着床障害(RIF)の患者において、GnRHアゴニストとレトロゾールの前処置はその後の治療周期の生児出産率を改善した可能性がある。この改善は内膜の胚受容能が改善したか診断されていない子宮内膜症が治療されたかによると我々は考えている。

出典:Effect of GnRH agonist and letrozole treatment in women with recurrent implantation failure
by Naama Steiner, M.D. Guy Shrem, M.D. Samer Tannus, M.D. Alexander Volodarsky-Perel, M.D. Seang-Lin Tan, M.D. Michael H. Dahan, M.D.
Fertility and Sterility VOLUME 112, ISSUE 1, P98-104, JULY 01, 2019
DOI: https://doi.org/10.1016/j.fertnstert.2019.03.021